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111話

須羽冰はソファの上で足を組んで座り、大きな目を見開いて私を見つめながら、四文字を言い放った。「会社を設立する」

「会社を設立?」会社設立なんて、私にとっては宇宙人が地球に来たと聞くくらい荒唐無稽なことだった。呆気にとられて尋ねる。「誰が会社を?あなたのこと?それとも私?聞き間違いじゃない?」

「聞き間違いじゃないわ」須羽冰は私の目をまっすぐ見つめ、断固とした口調で言った。「私たち二人で会社を設立するの」

「どんな会社?」まるで大きな冗談を聞かされたような気分だった。「僕たちが何の資格があって会社なんて設立できるの?冗談でしょ?」

「これを見て」須羽冰は自分のバッグからA4サイズのカラー...