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779話

メイリが去った後、この事務スペースは再び私と丘アシスタントの二人だけの世界に戻った。私はさっさと何か理由を見つけて逃げ出そうと思っていたが、丘アシスタントは遠慮なく再び私のデスクの端に腰掛けてきた。ただし、以前のような媚びた態度とは違い、今日はどことなく落ち着いた様子を見せていた。

丘アシスタントは自分のスマホを私に見せてきた。写真には英語の文字だけが書かれた薬のシートが映っていた。

「これ、どういう意味?」と私が尋ねると。

「どういう意味もなにも、うちのバカ旦那が私に薬を盛ったのよ。ネットで調べたら、これは女性用の媚薬だって」と丘アシスタントが答えた。

「なるほどね」と私は笑いながら...