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768話

強子は茶杯を私とぶつけながら言った。「じゃあそういうことで。それにしても、人が君の手で死んだんだ。多少のお気持ちはどうだろう?」

私は尋ねた。「どのくらいが『お気持ち』なんだ?」

強子は指を一本立てて言った。「一人500万だ。キリのいい数字にしてくれ。道の掟でいえば、この金は払うべきものだ。あの二人は君を狙ったわけじゃない。君の手で死んだんだから、けじめをつければ寿命も縮まないさ」

その金額は実際には妥当だと思いつつも、私は少し眉をひそめた。強子は笑いながら言った。「君の金は誰かが出してくれるのは知ってる。この程度なら君も困らないだろう」

私は言った。「わかった。俺はビジネスマンじゃな...