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657話

気温は徐々に暖かくなってきているものの、熱帯地方で育ったチェンチェンにとっては、この絶対温度でもまだ厳冬のように感じられる。今日の彼女は分厚い服装で、スカートをはいているが、下には厚手のレギンスと長靴下を重ねている。

車内のエアコンはかなり暖かく、チェンチェンは上着を脱ぎ、体にぴったりとフィットしたセーター姿になった。彼女の美しい胸元と腰のラインが魅力的に浮かび上がっている。

思わず二度見してしまった。

チェンチェンは私の視線に気づくと、むしろ満足げに微笑んだ。

「見たいなら、堂々と見ればいいのよ。あなたが紳士だってわかってるから。人が多い場所では絶対に変な目で見ないもの。今は二人きりだ...