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656話

「だめ、出ないわ。早く行きましょう」澄澄が立ち上がって言った。

私が眉をひそめると、澄澄は私の手をぎゅっと握りしめて言った。「大丈夫だから、余計なことしないで」

少し考えてから私は言った。「じゃあ、男子トイレに連れて行くよ」

澄澄は頷いて、私について歩き出した。中から顧嘉の焦れた声が聞こえた。「ほら、あいつ出て行ったじゃん。これでいいでしょ?」

丘アシスタントは相変わらず困ったように断っていた。「本当にできないの。ここじゃ落ち着かなくて...」

顧嘉が声を潜めて彼女を叱りつけると、丘アシスタントの声はしだいに小さくなっていった。

私は澄澄を男子トイレに連れて行き、見張り役をして無事...