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579話

季玉は少し考えてから言った。「それならば、条件を一つ出させてもらおう。林岚のことはもう諦める。あなたたちの好きにしてくれていい」

盛楠は言葉を遮るように言った。「条件なんて話し合う余地はないわ。あなたが林岚を庇うなら、それは私たちと敵対するってことよ」

私は丸く収めようと言った。「まずは季玉の言い分を聞いてみよう」

季玉は甘く微笑んで言った。「あなた、私があなたの彼氏を奪うんじゃないかって心配してるの? 勘違いよ。私はただあなたたちの役に立ちたいだけ。もちろん、お金はいただくけどね。だから自薦するわ。何か人手が必要なことがあれば、私を頼ってくれていいわ」

盛楠は言った。「あなたが利益の...