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572話

季玉は運転を続けながら言った。「お前のその臆病者の友達は怪我が少し重いな。この辺りの病院には絶対行けない。奴がまだ我慢できるうちに、すぐに国に帰って、向こうの人間に引き取らせて治療を受けさせるのが良い。このまま引き延ばせば、この腕は壊死して助からなくなるぞ。お前たちを国境付近まで送るから、お前は彼を先に連れて帰れ。俺は戻って少し片付けることがある。それに王大についての情報や彼を見つける機会がまだあるか確認してみる」

私は思わず感心して言った。「意外と気が利くんだな」

季玉は冷たい目で私を一瞥し、言った。「そうしなければ、もし追っ手が来たとき、こいつを連れたままじゃ逃げられないだろう。結局は...