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569話

季玉は言った。「うん、最初は君と同じように考えていたんだけど、彼女と話した後で考えが変わったんだ。店員に頼んであるから、誰も部屋に入って彼女を探したりしない。12時間後には誰かが彼女を見つけるかもしれないけど、その頃には私たちはもう遠くに逃げ切っているさ」

季玉は上半身にぴったりとしたTシャツを着て、下は昨日の水玉模様のスカートではなく、ワークパンツに変わっていた。髪はポニーテールに結んでいる。

受け渡し場所は大きな道路からやや離れた広い空き地に設定された。王大がこの場所を選んだのは周到な計算があるようだ。ここは近くに山があり、隣には建設現場もあって、いたるところに身を隠せる場所がある。

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