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556話

「お嬢さんはどうですか」とよく声をかけられるので、私は咄嗟に思いついて盛楠の手を取り、自分の膝に置いた。盛楠は少し恥ずかしそうにしたが、さほど抵抗はしなかった。いつもは強くしっかりとした彼女の手が、私の手の中では柔らかく骨がないかのように感じられた。

私は彼女に説明した。「こうすれば誰も声をかけてこなくなるよ」

盛楠は言った。「あなたも分かってるじゃない。客引きの子たちはたいした子いないわよ」

「ステージで踊ってる子たちこそ、顔も体型も雰囲気もいいの。気に入った子がいたら番号をメモして、店の責任者と相談すれば、値段が合えば連れて帰れるわ」私はうなずいて理解を示した。

ショーが終わってホテ...