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537話

「振り返ってみると、彼女は下を向いてスマホをいじりながら言った。「今回は正式な初任務ということになるわね。筋から言えば報酬はそう高くないはずだけど、特別に良い条件を申請しておいたわ。それに、出発後すぐに半額を口座に振り込むようにしておくから」

私が困惑した表情で彼女を見つめると、彼女は顔を上げて軽く微笑んだ。「あなたが受けるべき報酬よ」

メイリのオフィスを出ると、チェンチェンが私のオフィスで待っていた。私のオフィスはメイリのアシスタントと同じ部屋にあるが、間に仕切りがあって、声は聞こえても姿は見えない構造だ。私のスペースの横側には小さな会議室へ通じる出入り口がある。

アシスタントは席を外...