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351話

私は頷いたが、何も言わなかった。

馮兄は手の中にある、どこからか手に入れた小さな紅木の彫刻を弄びながら、会社の現状が良くないこと、いつ大きな問題が起きてもおかしくないことを率直に語った。

「だから、先に手を打っておきたいんだが、私一人では手が回らない。あれこれ考えた結果、お前と芋児なら安心して任せられると思った。だから私の代わりに、この件を処理してほしいんだ。ただ、鄭総監は今、体調も精神状態も良くないから、彼女に頼るのは難しい。結局、お前に頭を下げるしかないんだ」

「分かりました。それで、馮兄が私に頼みたいことって何ですか?」と私は尋ねた。

馮兄はまた王社長との協力の話を持ち出し、やはりラオス...