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231話

「嫌な女め、十歳も年上の脂ぎった中年男を連れて来て、相変わらず白人には媚びへつらい、アジア人には見下すような態度を取っている」

私は嫌悪感を抱きながら、彼女が満面の笑みを浮かべて交流している様子を見て、身を翻し自分の酒を飲みながら、外の噴水を眺めて物思いにふけった。

D国の老人が私の肩を強く叩いた。振り返ると、彼と奥さんが満面の笑みで私の後ろに立っていた。老人は私に向かってウインクしながら言った。

「若者は情熱的でなくちゃいかんよ。今夜は情熱的な夜だからね」

私は感謝の笑みを浮かべた。老人は私と乾杯し、こう言った。

「亮くん、遠慮しすぎないで、もっと積極的になりなさい。リサに踊りを申し込んで...