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751話

彼は力を込めて引き抜こうとしたが、杖の先端はびくともしなかった。

もちろん、安二虎も力を入れていた。彼が手に力を入れると、自然と体が緊張し、下半身にも力が入り、伶俐を突き上げたため、思わず「んあっ!」と声が漏れた。その声は極めて魅惑的で、安二虎の士気を更に高め、龍兄でさえ彼女を抱きたいと思うほどだった。

安二虎は得意げな顔で龍兄に向かってにやりと笑った。「龍兄、一本目は俺の勝ちだな?」

「ああ!この勝負はオレの負けだ」龍兄は認めざるを得なかった。杖の先を引き抜く力すらなかったのだから、彼の心は完全に崩壊していた。この若者は確かに絶世の高手だった。彼に勝てる見込みはない。だからこそ彼はこれほ...