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517話

「でもね、あの子が喋り出したら、そんな風には思わなくなるよ。口を開けば『くそ』だの『ふざけんな』だの、汚い言葉ばかり。気に入らないヤツがいたら、すぐに殴りかかって、終わったら自分の子分に札束を投げさせて『病院行けよ』って。」

「そんなに横暴な娘なのか?」安二虎は笑いながら尋ねた。

「もちろんさ。龍兄貴はとっくに業界で宣言してるんだ。娘が楽しければ、人殺しや放火さえしなければ、何をしても正しいって。誰も娘の心に影を落としてはならない、さもないと命はないと。だから、誰があの小さなお嬢様に逆らえるんだ!」

「それなのに俺にあいつを懐柔しろと?」安二虎は軽く笑いながら言った。

墩子はそれを聞い...