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299話

十分な注意を払いながら、南へ歩き続けると、百メートルも行かないうちに恐ろしい光景が目に飛び込んできた。小さなワニの群れが川岸でヘビの死骸を奪い合っていたのだ。その光景はまさに戦慄を覚えるほど恐ろしく、水蛇の死骸はすでに小さなワニたちによってずたずたに引き裂かれ、原形を留めていなかった。安二虎が心配したのは水蛇の悲惨な最期ではなく、自分のフルーツナイフが見つからなくなることだった。

この小さなワニの群れは秀陽県特有の種で、揚子鰐の一種だった。比較的温和な性格で、人間を積極的に攻撃することはない。秀江の主要な支流、袁河を含めた各所に、数の多少はあれど揚子鰐が生息していた。

安二虎が大声で怒鳴る...