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2697話

道で村人に会ったら、山で薬草を採りに行くと言っておいた。実際は山に花を摘みに行ったのだ。そしてその花は、彼が最も摘みたくないものだった。興味がないわけではなく、心理的な圧力があるのだ。安大彪が二人の関係を黙認していたとはいえ、この歪んだ関係は安二虎にとって居心地が悪かった。だが、美しい女性の誘惑に抗うことはできなかった。

はぁ!全て股間が招いた災いだ!

案の定、三十分後、二人は尼寺へ向かう道の分岐点で出会った。翠芳は彼よりも焦っていて、早くから道端で待っていた。安二虎が来ると、我慢できないように彼の手を引いて山の中へ、さらに奥へと走り出した。久しぶりに会った恋人同士のように、走りながら笑い合...