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2649話

香草は驚いた。翠芳が安二虎にあんな態度を取るとは思ってもみなかった。安二虎は苦笑いして言った。「わかったよ。まだ若いと思ってさ。『お母さん』って呼ぶのは失礼かなって。でも、母親になりたいなら、これからはそう呼ぶよ。お母さん、どこに行くの?」

「いい息子ね。あんたに会いに行くところよ!あんたの父さんが今夜、家族で集まろうって言ってて、あんたの義父さんと義母さんも誘うように言われたの。もう知ってるなら、自分であんたの方の親に言いなさい!私はもう伝えたからね」

そう言うと、翠芳は振り返って立ち去った。安二虎も香草のことも見向きもしない。香草は鋭い目で安二虎を観察していたが、何も言わなかった。二人...