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2335話

「しかし認めなくちゃいけないわね。彼はそういう人なの。薬を飲んでる様子もないし、いつも遠慮なく攻めてくる。まさに圧倒的な存在感よ」バーバラは安二虎には手を焼いていることを悟り、インターホンを手に取って隣の部屋に連絡しようとした。しかし彼女がダイヤルを回す前に、ドアが開き二人の女性が入ってきた。ティナとキャンディが手を繋いで現れたのだ。ティナは笑みを浮かべ、キャンディは小さな唇を尖らせ、少し不満げな表情を浮かべていた。

バーバラは娘のキャンディのその様子を見て、心の中で申し訳なく感じた。まるで娘から男を奪ったかのように。実の娘ではないとはいえ、二十年間実の子として育ててきたのだ。世の中の良いも...