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1213話

「おばさん、安二虎と申します。婦人科医をしております。あなたの病気はそれほど深刻なものではありません。適切な治療を受ければ、大きな問題にはなりません。まずは診察させていただいてもよろしいでしょうか?」安二虎は笑顔で尋ねた。

確かに男性が入ってきた。しかも端正な顔立ちの青年だった。娘は彼を「二虎お兄さん」と呼んでいる。この年齢の医者が、随分と大きなことを言うものだ。だから小倩の母は内心では納得していなかった。安二虎はただ大げさなことを言っているだけではないかと思った。

「診てもらうのはいいけど、あなたはどこの医者なの?うちの小倩とはどうやって知り合ったの?小倩から聞いたでしょう、うちにはお金...