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66話

「冷月が方青を一目見て、「ありがとう」と言った。

方青は「ヘヘッ」と笑って、「今は礼なんていらないよ。その時になったら、どう感謝するか考えてくれればいいさ!」と返した。

彼は彼女のせいで巻き込まれたのだ。何かしらの補償がなければ、納得できるはずがない。

姜龍は二人が、こんな危険な状況でさえも、目配せし合っているのを見た。

手に持っていた葉巻を地面に投げ捨て、一歩踏み出した。

「ぼうっとしてんじゃねえ!あの小僧を片付けろ。女は怪我させても構わん、怪我なら療養できる」

彼はこの若者が足手まといだと思っていたが、今見ると、冷月よりも手強いようだ。

もともと冷月という女一人を相手にするだけでも面倒なの...