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64話

冷月の顔色が急に冷たくなり、瞳は別の方向を見た。

方青も思わず眉をひそめた。これは誰かが冷月を殺そうとしているのか?しかも銃の腕前はなかなか正確だ。

これまで全く気づかなかった。

どうやら冷月を狙っている者も、ただの素人ではないようだ。

「大丈夫か?」

方青は冷月の華奢な体を抱きしめると、彼女から漂う香りが鼻をくすぐり、豊かな胸が方青の胸板に押し付けられていた。

白鳥のように美しい首筋には、一切の傷一つない。

色っぽい鎖骨が露わになっている。

冷月は方青の腕から身を離し、軽く咳払いをしてから口を開いた。「大丈夫よ、ありがとう」

「お礼はそれだけ?」

今の彼の行動は、どう考えても彼女の命を救った...