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32話

「何も言ってないよ。君の提案に大賛成だ。この件は戻って盛社長に伝えておくよ」

方青は話題を変えた。林笑笑はそれを聞くと、首を横に振った。「これは私たちの会社の不手際なんです。本来なら市場開拓の計画もあったんですが」

「御社のブランド力にも注目していたのに、なかなか協力の機会が得られなくて」

林笑笑の言わんとしていることは、もしこれが林萱の独断だと言えば、彼らの会社の信用を失うことになりかねないということだった。

だから言わないのが最善の方法だった。

「この件は社内で解決します。御社との協力関係を失うわけにはいきませんから」

林笑笑は方青に茶目っ気たっぷりにウインクした。「林萱のこと...