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3話

女性はとても美しく、熟女の色気を全身から漂わせていた。

特に、その洗練された雰囲気に熟女の色気が混ざり合い、方青の視線を引きつけてやまなかった。

この女性の雰囲気は、林暁とは全く異なるものだった。

だが方青への誘惑は、同じくらい強いものがあった。

方青は知らなかったが、女性は声を上げたものの、その心は恐怖で満ちていた。

特に方青の殺気に満ちた、まるで死体の山と血の海から練り上げられたような眼差しと、全身に浴びた鮮血が、

女性が恐れないはずがなかった。

今の彼女は、ただ強がっているだけだった。

方青はそれを知る由もなく、

王浩という男が自分に怯えきっているのなら、もう殴る必要もないだろうと考えていた。

結局のところ、彼を殺す勇気など自分にはないのだから。

そう考えた方青は、王浩を古い麻袋でも投げ捨てるかのように、

冷たい床へと放り投げた。

しかし今の王浩にはそんなことは気にならず、ようやく方青が手を離したのを見るや、

尻もちをつきながら、這うようにして病室から逃げ出した。

方青はその場に立ち尽くし、一言も発せず、全身から冷気を放っていた。

だが実際のところ。

彼は目の前の女性の美しさに心を奪われていたのだ。

表向きは冷たい戦神のようだったが、もしさっきの出来事と全身の血がなければ、

きっと誰もが、美女を見た途端に目を輝かせる色男だと思っただろう。

病室の空気は、一気に静まり返った。

目の前の美女は明らかに方青の雰囲気に圧倒され、次の行動に出られずにいた。

約30秒が経過し、ようやく林暁が最初に反応を示し、美女の側へと駆け寄りながら言った。「雨涵姉さん、誤解しないで。」

「さっきの王浩が私に手を出そうとしたの。方青は私を助けるために、彼を殴っただけなんだから。」

林暁は隠すことなく、先ほど起きた全てのことを、入ってきたばかりの大人の美女に話し始めた。

二人の会話を通じて、方青はこの成熟した美女の名前と職業を知った。

盛雨涵。

美奈衣アパレルランジェリーデザイン会社の社長。

そして、林暁の親友でもあった。

彼女が今回病院に来たのは、実は林暁に会いに来ただけだった。

今や二人の女性はそこで小声でささやき合い、互いに情報を交換している。

一方、方青も黙ってはいなかった。彼の両目は盛雨涵から離れることがなかった。

盛雨涵は多くても二十四、五歳ほどで、白い肌と整った顔立ちに、少し鋭さを帯びた目を持っていた。

彼女は顔が美しいだけでなく、そのスーツからも隠しきれない豊かな胸、細い腰、そして豊満なヒップラインが見て取れた。

下半身の黒いストッキングは、彼女の長い脚を魅力的な曲線で際立たせていた。

足元の黒いハイヒールと相まって、まるで方青の魂を奪い去るかのようだった。

盛雨涵は元々会社の社長として、高貴な雰囲気を纏っていた。

その上、整った顔立ちと魅惑的なボディラインが加わり、言葉では言い表せない魅力を放っていた。

そして今の盛雨涵は、林暁の説明によって、先ほどの出来事をほぼ理解していた。

今や彼女の方青への視線も、自然と柔らかくなっていた。

方青は二人の女性がまだ話し込んでいるのを見て、立っていても座っていても落ち着かない様子だった……

特に自分には一銭もなく、身分証明書すらない闇の存在だと思い出すと、思わずため息をついた。

方青はここを離れることに決めた。

一つには命の恩人である林暁を困らせたくなかったこと、もう一つは二人の美女の前でのメンツを保ちたいという男のプライドからだった。

方青は血染めの病衣を脱ぎ、来た時の服に着替えようとした。

しかし服を脱いだ途端、彼の均整の取れた筋肉と、体中に散らばる無数の傷跡……

そして左腕の小さな血染めの龍の頭の刺青が露わになった。

はっ!

二人の女性は方青の体つきと、その無数の傷跡を見て、思わず息を呑んだ。

方青の全身の筋肉は、フィットネスインストラクターのようなゴツゴツした筋肉ではなく、むしろ繊細で均整がとれていた。

男らしい美しさに満ちていたのだ。

特にその無数の傷跡は、女性にとって致命的な魅力となっていた。

「あなた……何をするつもり?」林暁は思わず口を開いた。

方青は苦笑いを浮かべ、ため息をついた。

口元には言いようのない苦さが浮かんでいた。

「林暁、命を救ってくれた恩は、私、方青は一生忘れない」

方青は林暁を一瞥した後、続けて言った。「でも俺は自分の名前以外、何も覚えていない記憶喪失者にすぎない」

「身分証もなければ、一銭もない。これまでの世話になって、本当に申し訳なく思っている」

「もう迷惑はかけられない。さっきのことは謝るよ、本当にごめん」

「だから、もう行くよ」

方青は苦々しく言い終えると、自分の服を着て立ち去ろうとした。

「待って」林暁が突然口を開いた。

彼女自身も理由は分からなかったが、今の落ちぶれた方青を見ると、どうしても見捨てられなかった。

特に今も流れ続ける血で服が染まっている姿を見ると……

何より、これら全ては自分を救うためだったのだ。

そう考えると、林暁は思わず尋ねた。「どこへ行くの?」

「分からない」

「どこに行けるの?」

「分からない」

…………

方青と林暁はすぐに沈黙に陥った。

しかしその時、盛雨涵が口を開いた。「私があなたの医療費を払ってもいいわ」

方青は一瞬驚いた。

しかし方青が何か言う前に、盛雨涵は続けた。「でも一つ条件があるわ」

「何だ?」方青は思わず口走った。

盛雨涵は策略が成功したかのような微笑みを浮かべ、そのまま言った。「私のボディーガードになって」

方青は呆然とした。

彼はどう答えていいのか分からなかった。

正直に言えば、断りたかった。

結局、女性の下で働くということは……

しかも自分が少し気になっている、本物の美女の下で働くということは……

方青はプライドが許さなかった。

しかし方青が断る前に、盛雨涵は方青が断れないような条件を次々と提示した。

「入院費用は全て私が払うわ」

「私のボディーガードになれば、衣食住全て私が面倒を見る」

「あなたの身分問題も解決してあげる」

「月給は十万元!」

この一連の言葉に、方青は完全に呆気にとられた。

方青のこれまでの医療費はせいぜい2、3万元だと分かっていた。

しかし今、盛雨涵のボディーガードになれば、自分が悩んでいた入院費用を払ってくれるだけでなく……

食事から住まいまで全て面倒を見てくれ、さらに身分問題も処理してくれる……

最も重要なのは、月給が十万元だということだ!

「引き受けます!」

方青はこれらを考えると、ほとんど考えることなく、すぐに承諾した。

結局、こんな良い条件を断るのは馬鹿げていた。

「契約成立ね」

盛雨涵は方青が承諾したのを見て、小狐のような微笑みを浮かべた。

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