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183話

「小麦に会っても当面の危険はないだろう」と方青は安心した。

思いのほか、この娘にはある程度の実力があり、自分を守る術を心得ているようだ。

小麦が動き出すのを見て、方青はすぐに確信した。

忍者たちは明らかに小麦の相手になっていない。次は、木の上のあの男だ。

方青が小麦に一瞥をくれた瞬間、背後から数本の風切り音が迫ってきた。彼と対峙していた忍者の頭目が放った暗器だ。

その威力は並外れて強く、一般に暗器の使用には厳しい訓練が必要だ。確実、正確、そして致命的。

こんな暗器は誰でも扱えるものではない!

方青は相手の暗器を避けると、それらは真っ直ぐに木の幹に突き刺さった。その衝撃で、太い木の幹さえも揺れ動...