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153話

石霊と亜東は以前にキャンプを張った場所を見つけられると思っていた。

だが、歩き始めるとすぐに何か違和感を覚え始めた。

「大将、俺たち道を間違えたんじゃないか?」一時間近く歩いたが、以前設営したテントの姿は全く見えない。

テントどころか、以前入った痕跡さえ見当たらない。

地面は乾燥しており、迷わないように周囲の木々に目印をつけたはずだった。

目印をつけたのなら、それが消えるはずがない。

周囲の木々には、ナイフで刻んだ跡がはっきりと残っているはずだ。

しかし、今や一時間近く歩いても何も見つからない。だが、この道は非常に似ている。

入ってきたときもこの道を通ったはずで、彼らの方向感覚は悪くない。...