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151話

石灵の車はもともと後ろについていた。

彼らが通り過ぎると、石灵の車はそのまま前方へと疾走していった。

「あの人たち、どこに行くの?」

石灵は冷月たちの車を見かけると、すぐに別の方向へとブレーキをかけて向かった。

ずっと小道の方へ進んでいく。

それを見て、石灵は思わず眉をひそめた。

亜東も不思議に思ったが、今はそんなことを考えている余裕はなかった。

後ろからの追っ手がすでに加速して迫ってきていたのだ。

「大将、このままじゃ埒が明かないぜ。いずれ追いつかれちまう。どこか場所を決めて、車を止めましょうよ」

亜東も良い停車場所を見つけられずにいた。

石灵はまだ、冷月たちが一体何をしようとしているのか考...