Read with BonusRead with Bonus

120話

「南丰は命惜しみとは言え、海の上には海の上の掟がある。『莫少主が誰なのか知りたいなら、簡単なことです。私に聞こうが聞くまいが、結果は同じですよ』」

許姠は南丰を一瞥すると、莫黎に向かって言った。「聞く必要はないわ。時間も遅いし、ここを離れましょう」

彼女には敵が多く、この南丰についても噂を聞いていた。

だから海上を通るなら、当然ながら手を打っておく必要がある。

金さえ出せば南丰を雇える人間がいるのなら、わざわざ詮索する必要もない。この男は金で動く程度の人物なのだから。

それに、聞いたところで、何か有益な情報が得られるとも限らない。

莫黎はその言葉を聞き、今は追及しなかったものの、この一件...