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106話

有映紅が盛雨涵の傍にいるので、方青も安心していた。

午前中、方青は黒龍からの電話を受けた。

これは黒龍が人に届けさせた携帯で、方青自身の携帯はまだ冷月のところにあった。

「方青、組の取引の話があるんだ。お前に人を連れて行ってもらう必要がある」

方青はこの言葉を聞いて、断ろうと思った。

だが次の瞬間、黒龍はこう続けた。「俺たちには契約がある。映紅では盛雨涵を守りきれないぞ」

「時間と場所は?」

方青は黒龍の脅しに非常に不快感を覚えたが、今は軽はずみな行動はできなかった。

「今夜七時、市の中心部の地下オークション会場だ。お前が受け取る品は今日競売にかけられる品物だ。価値のある書画だ。お前の任務はそ...