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897話

「んっ……」

部屋から微かに聞こえる嬌声。夜が静寂すぎなければ、あるいは趙天明の耳が異常なほど敏感でなければ、この微細な声など決して聞こえなかっただろう。

「義姉さん、どこか具合でも悪いのか?」

趙天明は心配になり、ノックもせずにドアノブを回して部屋に飛び込んだ。

趙天明が鍵をかけない習慣があるのはともかく、義姉までもが鍵をかけていないとは思わなかった。

「義姉さ——」

部屋に入った途端、趙天明の呼びかけは喉に詰まった。目の前の光景は生涯忘れられないものとなった。薄暗いベッドサイドランプの下、一人の絶世の美女がベッドで身を丸めていた。黒いシルクのナイトウェアは既に開き、片手で自らの胸を掴み、も...