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626話

陸くんがもう少し居たら、きっと気づいてしまうところだった。

趙天明と陸くんが厨房の入り口から姿を消した瞬間、喬蓮はもう耐えきれず、何歩か後ずさりして、丸みを帯びたお尻を調理台に寄りかからせ、右手で台の縁を支え、左手で豊かな胸を軽く押さえた。

「はぁはぁ...危なかった、危なかった!」

「危なかった、もう少しで気づかれるところだった」喬蓮は胸を撫でながら言った。

顔を下げると、震える両脚と、じわじわと湿り気を帯びてきたジーンズが目に入り、喬蓮の頬はさらに赤く染まった。

さきほど趙天明に挑発されたこと、容赦なく激しく突き上げられたことを思い出したからだ。たった十数秒の出来事だったが、喬蓮は両...