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512話

「はい」趙天明は本当に目を閉じたままトイレのドアを開けて中に入った。

「前に進んで、前に進んで、いいわ、止まって、手を伸ばして、私が引っ張るから。はい、今度は私を支えて、立ち上がらせて」貝宝児は趙天明の動きを指示した。まるで監督のようだった。

「わかったよ、宝児、腰を支えたから、これから立ち上がらせるね」趙天明は目を閉じたまま言った。

「うん、あっ、いいわ、立てたわ。ちょっと待って、まだ終わってないことがあるの!」貝宝児は頬を赤らめ、恥ずかしそうに言った。

「何のこと?」趙天明は不思議そうに尋ねた。

「そんなに聞かないで、ただ私を支えてればいいの」貝宝児は甘えた声で言った。

「ああ」貝宝児は趙...