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1206話

華麗で輝かしい大広間、天高く聳え立つドーム天井、四方から中央へと収束する鋼鉄の骨組み。天井の透かし彫りのガラス窓からは、降り立つ夜の闇が見える。大小さまざまなクリスタルのシャンデリアが豪奢な雰囲気を醸し出している。

そして水の波のように優しく流れる音楽、人混みを縫うように行き交うウェイター、華やかな装いで歓談する数千人の姿。

ここはどこなのか——

趙天明自身もわからなかった。さっき散歩をしていてここまで来て、食べ物の香りに誘われて這い込んできたのだ。ああ、そう、間違いなく「這い込んだ」のだ。ここがどんな場所なのかも分からず、警備も厳重で、正面玄関からは入れず、苦労して這い込むしかなかったの...