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1184話

「そう、ここだよ。でもそれはあなたには関係ないでしょう!」

看護師は一昨日から大玄道士の世話をしていた。彼女の経験では、特別室の大玄道士はただの身寄りのない金持ちの老人に過ぎなかった。

「何をぐだぐだと無駄なことを言っている、邪魔だ!」

趙天明は苛立ち、片手で看護師を脇へと弾き飛ばすと、身をひるがえして中に入った。

「あれが社長の待っていた若者だろうな。なかなか迫力があるぜ」

大玄道士の特別室から少し離れた廊下で、二人の若いスーツ姿の男が頭を寄せ合い、ひそひそと話していた。

「そうだな。あの看護師もなかなかの美人だろう。なのにあいつときたら、乱暴に花を踏みにじるとはな、ふっ」

もう一人の男が答...