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1119話

面長の顔立ちで、すでに中年に差し掛かっているにも関わらず、その顔には衰えの兆しが見えず、依然として二十代半ばのように若々しかった。

「やはり少しは腕があるな。これまでは常に社長が人を圧倒していたのに、今は私の気迫に押されている。確かに並の人間ではないようだ」

部屋の外の大木の上で、白雲はのんびりと言った。

「確かに、あなたの社長は今、余裕のない表情をしていますね」

暁茹が言葉を継いだ。

部屋の中では、今や趙天明とその中年の男が向かい合って立っているだけだった。

二人は目を逸らさず見つめ合い、誰一人として一歩も引こうとしなかった。

「場所は、君が選びたまえ」

中年の男が先に口を開...