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905話

両側には小さな斜面があり、上がると巨大な駐車場が広がっていた。

ここはどうやら三つ星ホテルのようだ。この街自体はそれほど大きくなく、せいぜい地級市程度だ。だからこのホテルは、市内ではかなり格式が高く、一泊数百元、良い部屋なら千元を超える。

林川はホテル入口の石段にしゃがみ込んでタバコを吸っていた。しばらくすると、足音が聞こえてきた。振り向くと鶉(うずら)が見え、彼の他に蛟龍もいた。前に一度会ったことがある。蛟龍は愛想のない顔で、林川を見ると鼻で軽く「ふん」と笑い、威張った様子で顔をそむけた。

冗談じゃない。林川も彼に媚びるつもりはなく、立ち上がって鶉の側に行き、小声で笑いながら言った。「鶉兄貴...