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871話

「浩子はひと工夫して、こっそり後をつけさせたんだ」

「そして今さっき起きたことだ。仏様は秦悦を連れて、渓龍山の方まで逃げて、ちょうどお前が道の入り口に立っているのを見かけたんだ」

旭兄は酒を一口飲み干し、手を伸ばして油で揚げた大エビを二匹つまんで口に放り込んだ。「俺たちが浩子に電話でお前に知らせるよう頼んだんだ。もし秦悦に何かあったら、お前の性格じゃ、何をしでかすか誰にも分からないからな。みんな見抜いているぞ、お前が王姍姍を受け入れずにとぼけているのは、心の中が秦悦でいっぱいだからだってな」

「お前に連絡したのは、秦悦を救ってほしかったからだ。まあ、前回のことがあって、俺は彼女にすごく腹が立...