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795話

「ちょっと待って、後ろにもう一台あるよ。ベンツと一緒に動いてたの見なかった?白いマセラティのセダンで、ベンツの真後ろについてたんだ」

金色のワンボックスの車体が高すぎて視界を遮っていたため、白枫の言葉を聞いて初めて、林川はベンツの後ろに白いマセラティがついて一緒に出て行くのを確認した。

「川兄貴、早く決めてくれよ、どうする?」

白枫の方から催促が始まった。この通話している間にも、二台の車のスピードは上がり、すでにかなり遠くまで行ってしまっていた。

横の浩子も林川を見つめていた。明らかに皆が林川の決断を待っている。林川は歯を食いしばり、思い切って声を潜めて言った。「追いかけろ。チャンスを...