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793話

「人生が台無しになるかもしれない。自分で選んだ道だ、膝をついてでも最後まで歩き通すしかない」

「行こう」

彼は座席に寄りかかり、手に持った包丁は新聞紙で包まれ、柄だけが見えていた。

前方のハイエースがゆっくりと走り、林川は遠からず近からずの距離で後ろを追っていた。

浩子は笑いながら言った。「あの女、お前にとってそんなに大事なのか?彼女のために、みんな分かってるぞ、お前はもう取り憑かれたようになってる。昨日の夜も言ったけどな。もう子供じゃないんだから、多くのことは心の中で分かってるはずだ」

林川は深く息を吸い込んだ。「ただ納得できないんだ。まだ聞き出せていないことがたくさんある。いいよ、自分で分...