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753話

「小川、友達と一緒に行っておいで。こちらは大丈夫だから、帰るときは一言言ってくれればいい」

彼は手を後ろに組み、クルリと向きを変えてリビングに戻っていった。

一晩中無言だった。その日の夜は疲れ果て、適当に旭兄さんの部屋を用意し、四時か五時頃までゴタゴタしてようやく眠りについた。

どれくらい眠ったのか分からないが、うとうとしていると携帯が振動しているのを感じた。手に取って見ると、浩子からの着信だった。

「小川、起きたか?俺たちで集まろうぜ。酒も肴も全部手配済みだ」

「俺と周夢涵が村の入り口で待ってる。四人だけだ。少し話したいことがある」

電話を切って時間を確認すると、夜の七時過ぎだった。起...