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680話

「あなたの言う通りだとしたら、心から愛し合った恋人同士が別れたら、みんな死んでしまうことになる?確かに辛いけど、それは一時的なものだよ。時間が経てば、その気持ちも薄れていくものさ」

「そんな風に言われると、本気で軽蔑するよ。俺も以前、似たような経験をした。別の件だけどね。自殺も考えたし、かなりの間、引きこもってた。人生はもうこれまでだと思ってた。でも、お前に出会うまではな。お前が俺に闘う勇気をくれた。もう一度、生き生きと生きる力をくれたんだ」

そこまで話したとき、白楓は思い出に浸り、瞳はすぐに赤くなった。

彼は林川に過去の出来事を一度も話したことがなかった。いつも笑顔で、よく一人で物思いに...