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658話

最後、林川たちは焼き肉屋台を見つけ、少し食べてから帰ることにした。

林川は秦悦のことが心配で、バーには戻らずに白楓に車で家まで送ってもらった。今やバーでは、秦悦がいない時は大小問わず全ての事を白楓が取り仕切っており、彼は林川の期待を裏切ることはなかった。

家に戻ると、林川は慎重に契約書をしまい込んでから部屋を出た。秦悦はソファで眠っており、赤ちゃんは一人でソファに座り、バケツサイズのフライドチキンを抱えながら「ボアベア」を見ていた。

林川は寝室から毛布を持ってきて、そっと秦悦にかけた。熟睡していた彼女のまつげが少し震え、ゆっくりと目を開けて林川を見つめ、「小川、バー閉めたの?」と尋ねた。...