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616話

「さっき素手で旭兄貴の代わりに刃を受けたのがキツくて、刃が肉に食い込んで痛いし、手も握れないんだ」

白楓と旭兄貴が急いで駆け寄り、二人で林川の腕を抱えて地面から起こした。無口な奴らは三爺を支え、一行は静かに出口へと向かった。

入り口はブルドーザーに塞がれ、さらに道具を手にした作業員たちが大勢立っていた。

一行が入り口まで来ると、揃って足を止めた。数秒後、二龍が沈んだ声で口を開いた。「やつらを通せ」

言葉が落ちるとブルドーザーが移動し、前に立ちはだかっていた十数人の作業員たちも次々と道を開けた。誰もが分かっていた。このまま争いが続けば、一度事態が制御を失うと、血を見た後では誰も収拾がつか...