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611話

三爺の反応は早かった。林川が彼の首に飛びかかろうとした瞬間、彼はしゃがみ込み、火縄銃を直接林川の頭に向けた。

バン!銃口から火蛇が噴き出し、目の前の温度が一気に上昇するのを感じた。幸い林川の回避も素早く、銃口が自分に向けられた瞬間、咄嗟に顔を横にずらした。そうしなければ、この一発で頭が吹き飛ばされていただろう。

「このクソガキ、今日こそぶっ殺してやる」

三爺は目を見開き、眼球が飛び出さんばかりだった。あの種の火縄銃は、一発撃つたびに棒で銃口から火薬を詰め直さねばならない。この状況では二発目を撃つ余裕はなく、そのまま銃身を掴んで棍棒代わりにした。

林川は額の冷や汗を拭い、胸の内で恐怖が後...