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610話

「よく考えてみろ。今時、金を稼ぐのはどんな人間だって簡単じゃない。こんな大きな砂利工場、利益はかなりのものだろう?こんな財産を、三さん一人のために全部失うのか、それが割に合うとでも思っているのか?お前らみんな、ずる賢くて腹の中は計算だらけだ。こんな取引が割に合わないことは子供でもわかるだろう。どう選ぶかはお前次第だがな」

「強気に出て、この件に首を突っ込みたいなら、好きにすればいい。俺はどうでもいいさ。ただな、お前の部下たちを見てみろ。奴らを不幸にして、お前は一生安らかに過ごせるのか?」

二龍の視線がちらつき、彼の声も小さくなった。「あの時、三さんは俺の命を救ってくれた。彼がいなければ、今...