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241話

この女、今夜は林川に消えない印象を残した。

さっきの場面を思い返し、何とも言えない余韻に浸りながら舌なめずりする。李海が突然現れなければ、林川はもう少し我慢できたかもしれない。

団地を出ると、辺りは真っ暗だった。

手提げ袋に入った十九万元の現金に、林川は妄想を膨らませ始めた。どこからか二人組が飛び出してきて、この金を全部奪われるんじゃないかという恐怖が襲ってきた。

トイレに隠した四万元と合わせれば、林川の手元には二十三万元という大金がある。

生まれてこの方、こんなに簡単に金を稼げるとは思ってもみなかった。だがこの金は、きれいごとを言えば、悪事を働いて手に入れたものだ。

とはいえ、林...