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237話

彼女は唇を噛み、この上なく艶かしい表情で、口からは甘い吐息が溢れ、林川はその声に惑わされ、東西南北もわからなくなり、ただ同じ動きを繰り返すことしかできなかった。

この瞬間、体はあそこだけが脳と繋がっているようで、他の部分はすべて麻痺しているかのようだった。

「林川、もっと…まだ苦しいの」

彼女は小さな声でそう言うと、まるで林川の全てを飲み込みたいとでもいうように身を寄せた。

ちょうど盛り上がっていた時、ドアの方から足音が聞こえてきて、林川は手足が冷たくなるほど驚き、王姍姍を抱きしめたまま動けなくなった。

「まずい、母さんが帰ってきたかも」

王姍姍の顔から一気に血の気が引き、あそこに座ったまま身...