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199話

その短髪の女が小さな口を大きく開け、色っぽく誘うと、男がその隙に唇を重ね、口に含んだ酒を流し込んだ。

「んっ……」

通話中の携帯電話から、色気のある吐息が聞こえてくる。

林川は目を見開いたまま画面を凝視していた。このまま展開が進めば、彼らは人前でやってしまうのだろうか?

そう考えると、実際にありそうな話だった。この連中の手慣れた様子を見ると、日頃からこういう遊びに慣れているに違いない。過激な光景に林川は内心舌を巻きながら、周りの人々が浩哥の方をちらちら見ているのに気づいた。

林川は浩哥が隣の男に目配せしているのも見逃さなかった。男同士だからこそ、あの目配せが何を意味するか痛いほど分かる。

明ら...