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197話

「彼らの中には、私のことを知っている人間がいる。お前も知っているだろう、ヤクは三日に一度は留置場行きだ。一度目に入った時点で、中の同僚に顔を覚えられる。残りの連中は彼らを監視するだけだ。だから何度も署に出入りしているうちに、みんな顔見知りになる。俺は表に出られない立場だから、お前の力が必要なんだ」林川は冷静に切り出した。

「それに、お前は彼らと知り合いだろう。否定するなよ、もう『浩兄貴』なんて呼んでるじゃないか。お前が動けば、誰も疑わない。針穴カメラを渡すから、遠隔接続できるタイプのやつだ。目立たない場所に設置しろ。それと、映像だけじゃなく音声も必要だ。あとはお前で工夫しろ」

「頭の回る若...