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174話

「ここまでの色仕掛けなら十分だろう。撮るべきものもすべて撮れた」

林川は声を落として秦悦たちに言った。「先に出ていろ。残りは俺に任せろ」

唐菲菲からビデオカメラを受け取ると、林川はにこにこしながらベッドの端に腰掛け、タバコに火をつけた。

王胖子は何かがおかしいと感じ、急に顔を上げた。そして彼の表情が凍りついた。林川をじっと数秒見つめると、王胖子は激しく身をよじったが、両手は既に秦悦に縛られていた。

「お前は誰だ?」

彼は恐怖に駆られて叫び、感情が激しく高ぶった。

林川は笑いながら口を開いた。「王社長は記憶力があまりよくないようだな。こんなに早く俺が誰か忘れるとはね」

林川は立ち上がって部屋の明...