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1123話

確かにマスク姿の人もいれば、帽子を被った人もいる。身分に敏感な人たちは、車から降りる時からそういう格好をしているものだ。

柔らかな赤絨毯の上を歩きながら、林川は前方の「姿悦」を見上げた。心の中は異常なほど冷静で、余計な考えは一切なかった。そのとき、また一台のランボルギーニが横を通り過ぎ、若い男が降りてきた。

「姿悦」の入口には、赤いチャイナドレスを身にまとった女性たちが二列に並んでいた。モデル並みの身長に、豊かな胸、丸みを帯びた魅力的な長い脚。彼女たちは手に盆を持ち、その上には祝いのタバコや飴、さらに様々なお菓子が載せられていた。

人々が行き交う中、ちょうどその時、偶然にも林川は張平と蛟...